FEATURE

スラリーポンプの特徴

中圧直結型ダイヤフラムポンプ

01AOKI-ダイヤフラムポンプは、直動型機械作動式です。
このスラリーポンプは発売以来、約60年になります。その間種々の改善、改良を加えて今日に至っております。

02このスラリーポンプは、往復作動式に属するダイヤフラムポンプです。
従って作動原理はピストンポンプ、プランジャーポンプと同一です。

03このスラリーポンプは、単動式、二重ダイヤフラム構造を採用しています。

無漏洩(グランドレス)・潤滑油と隔離

  • 無漏洩です。(ノンシール構造です。)
    回転式ポンプのようなグランドパッキンやメカニカルシールなどがありません。
  • 液と潤滑油は二つのダイヤフラムにより隔離されています。
    送液中へのオイルや不純物の混入が全くありません。
    従って液体を純粋なままの状態で圧送できます。
  • 吸い上げ能力は、機種により変わりますが、水にて0~-2m程度です。
  • 空転が可能です。焼き付きの心配がありません。
  • 耐蝕材料の選択範囲は以下となります。
    FC,SUS304,SUS316
  • スラリー,スラッジなどに対しての耐摩耗に抜群に優れています。
    これは、しゅう動部、噛み合い部がないためです。
  • 衝撃、しゅう動、摩擦などが移送液に不都合の場合に最適です。
  • 高濃度液に最適です。
  • 高粘度液に最適です。
  • 異物混入液(スラリー、繊維状など)にも使用できます。
  • 圧力は最大1MPaGまで対応可能です。
  • 堅牢で耐久性に優れ、経年変化がありません。
    主要交換部品は、ダイヤフラム、ボール、シート、ガイドのみです。
    上記部品交換にて、100%ポンプ性能を維持できます。よって、長期的に見れば、メンテナンスが楽で、ランニングコストは安くなります。
  • 二重構造ダイヤフラムのため、ダイヤフラムが破損した場合でも、液と作動油が混入する心配がなく、分解清掃が簡単にできます。

SELECT GUIDE

製品選定ガイド

超高濃度のスラリー液での実績は以下の通りです。

液 名 称 条 件
フェライト 濃度67wt% 比重2.1 3000~5000cp
金属粉スラリー+溶剤 比重1.6 真比重7.8
超硬+溶剤 濃度50wt%  真比重14
アルミ粉+ナフサ アルミ粉25wt%+ナフサ75wt% 比重1.0 1cp
陶土 比重1.72 1000cp
酸化チタン 濃度30~40wt% 比重1.4 2000cp
酸化チタン 濃度50wt% 比重1.6 500cp
染料(有機) 濃度20~30wt% 比重1.2 30~50cp
ラテックス PH8 比重1 300cp
軽質炭酸カルシウムスラリー 濃度69wt% 比重1.75 400cp以下
重質炭酸カルシウムスラリー 濃度73.5wt% 比重1.8
カオリンスラリー 濃度72.5wt% 比重1.8 750cp
セラミックスラリー 濃度48~64wt% 比重1.7 150~1000cp
ジルコニア(ZnO2)+水 濃度55wt% 比重1.8
シリカ・アルミナスラリー 比重1.6 4000cp
アルミナ(研磨剤)+水 6000cp 粒径0.5~0.8μm

下記の流体に適合するスラリー液での実績が多数有ります。
その他の流体につきましても、お問い合わせ下さい。

流体名称

PET粉 顔料 シリコンオイル 反応液
Si3N4粉 凝集剤 ジルコニア粉 複合酸化物
TiB2粉 希硫酸 水酸化アルミニウムパイプ液 フリフロック
UV硬化樹脂 金属粉 水酸化ナトリウム 分散剤
亜鉛+テレピンオイル 銀粉 酢ビエマルジョン ポパール(合成糊)
アクリル酸 珪酸マグネシウム 石灰乳 ポリプロピレン
アルミ粉 軽質炭酸カルシウム(軽炭) 石膏 ボンド
アルミナ 下水汚泥 セラミック マイクロタルク(白土)
アンシレックス 鉱石 染料 無機顔料
アンモニア サイズ剤 ソフトフェライト メイクアップ
アンモニア水 サチン 炭化セリウム メトローズ
塩化第二鉄 酸化アルミニウム 超硬 モリブデン酸アンモニウム
塩化銅 酸化イットリウム 超硬合金粉末 薬品
塩酸 酸化ジルコニウム 鉄系微粉末 有機薬液
汚泥 酸化チタン 澱粉 溶剤(エタノール)
カオリン 酸化鉄 陶土 ラクタム水溶液
苛性ソーダ 酸化物 塗料 ラテックス
カゼイン ジエチレングリコール ナフサ 硫酸銅
活性炭 磁性材料 ニールガム 硫酸バリウム
活性炭 重質炭酸カルシウム(重炭) 粘着液 硫酸バンド
ガラス粉 樹脂液 ハードフェライト リン酸カルシウム
過硫酸アンモニア シリカ バインダー 硅砂

MAINTENANCE AND STRUCTURE

メンテナンスと構造情報

アオキ・スラリーポンプは堅牢で耐久性に優れ、経年変化がありません。
左の写真は1968年製のSL-2A-225型スラリーポンプです。現在も現役です。弊社の機械は、20年、30年と長期間ご利用いただくこともよくあります。
故障が少ない故、ご利用される方から好評を頂いております。メンテナンスについて、主要交換部品は、ダイヤフラム、ボール、シート、ガイドのみです。従って上記部品交換にて、100%ポンプ性能を維持できます。よって、長期的に見れば、メンテナンスが楽で、ランニングコストは非常に安くなります。

構造解説|ダイヤフラムポンプ

(1)(2)ダイヤフラムは(3)ピストンに連結され、その往復運動により(5)吸入弁より吸入し、(4)吐出弁より吐出されます。
二重ダイヤフラム構造ですので、ダイヤフラムが破損した場合でも液とオイルが混入せず安全に検出され処置できます。

(1)液側ダイヤフラム
(2)油側ダイヤフラム
(3)ピストン
(4)吐出弁
(5)吸入弁

構造解説|メンテナンス(ダイヤフラムポンプ)

通常の消耗部品は、(1)液側ダイヤフラム、(2)油側ダイヤフラム、(4)吐出弁、(5)吸入弁 程度です。
(1)液側ダイヤフラムが破損した場合、(1)(2)間のダイヤフラム破損検知孔より液またはオイルが漏れますのでダイヤフラム破損がわかります。また、負荷の大きい(1)液側ダイヤフラムに対し、負荷の少ない(2)油側ダイヤフラムは寿命が長いので、同時に破損することはまず無く、(1)液側ダイヤフラムが破損したときに(2)油側ダイヤフラムも同時に交換すれば、液とオイルが混入することなく安全に使用することが出来ます。
弁部は、ボールバルブがチャッキ弁の役目をします。スラリー液の場合、スラリーによる内部金属の摩耗が特に激しく、スラリー濃度が高い場合、(4)吐出弁、(5)吸入弁まわりの金属部品シート、ガイドの交換が必要となります。これは、故障という物ではなく、弁部からのリーク量が大きくなり、吐出流量がかなり少なくなった場合に必要です。

CASE STUDY

用途・採用事例

製紙業界向けスラリーポンプとして

塗工紙分野、感工紙、感熱紙、感圧紙等の製造行程など、紙への塗工原料用高濃度スラリーポンプ、高粘度スラリーポンプとしてご利用いただいております。
軽質炭酸カルシウム(軽炭)、重質炭酸カルシウム(重炭)、マイクロタルク(白土)、カオリン、ラテックス、バインダー、珪酸マグネシウム、カゼイン、ポパール(合成糊)、メトローズ、アンシレックス、サチン、メイクアップ、ニールガム、ポリプロピレン、サイズ剤、澱粉、酢ビエマルジョン、活性炭など

陶磁器、碍子、タイル業界向けスラリーポンプとして

水に土類をまぜた陶土原料は非常に摩耗性のきついスラリー液です。
耐摩耗性の強いスラリーポンプとして最適です。

酸化鉄、磁粉、フェライト業界向けスラリーポンプとして

磁気記憶装置或いは磁気テープ製造工場にて移送用スラリーポンプとしてご利用いただいております。
酸化鉄スラリー、磁粉スラリー、ハードフェライトスラリー、ソフトフェライトスラリー、複合酸化物スラリー、磁性材料スラリー、石膏スラリーなど

湿式分散機、粉砕機、混合機、混練機用のスラリーポンプとして

湿式の粉砕機などでは、粗い粒径の金属粉を細かくなるまで循環します。
その循環用スラリーポンプとして最適です。
PET粉、アルミナ、シリカ、ガラス粉、銀粉、ジルコニア粉、Si3N4粉、TiB2粉、酸化イットリウム、水酸化アルミニウムパイプ液、分散剤、炭化セリウム、亜鉛+テレピンオイル、硫酸銅、鉱石、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム

セラミック業界向けスラリーポンプとして

セラミックと溶剤の混合スラリー液の移送用スラリーポンプ、昇圧用スラリーポンプとして実績があります。

粉末冶金分野向けスラリーポンプとして

超硬合金製造課程における超硬合金粉末原料スラリー液はスラリーポンプにとって最も過酷な分野ですが、 弊社のスラリーポンプは多くの実績があります。
超硬スラリー、金属粉スラリー、アルミ粉スラリー

染料、顔料、塗料業界向けスラリーポンプとして

染料、無機顔料、塗料、酸化チタンの移送用スラリーポンプ、昇圧用スラリーポンプとして実績があります。

廃液処理、フィルタープレス用スラリーポンプとして

下水処理場、し尿処理場、浄水場、工場廃液処理・移送用スラリーポンプ、またフィルタープレスへの押し込み用スラリーポンプとしては最適です。

高粘度液用スラリーポンプとして

接着剤原料、樹脂液、ボンド、UV硬化樹脂、シリコンオイルのスラリーポンプとしてもご利用いただいております。

あらゆる化学工業分野でのスラリーポンプとして

消石灰、塩化第二鉄、硫酸バンド、硫酸バリウム、塩化銅、希硫酸、水酸化ナトリウム、アンモニア水、苛性ソーダ、塩酸、アクリル酸、ジエチレングリコール、モリブデン酸アンモニウム、リン酸カルシウム、クリフロック、ナフサ、過硫酸アンモニア、ラクタム水溶液、高分子凝集剤、反応液、有機薬液、薬品など

特殊仕様事例

SL-1A-150型スラリーポンプです。小型で可動式スラリーポンプをご希望の場合このような形になります。出来る限りお客さまのご希望には対応させて頂いております。

FAQ

よくある質問

Q1ダイヤフラム関係

Diaphragm を和訳すると、横隔膜とか音を伝える振動板を意味します。
工業用でダイヤフラムとは、主に2つの物質を分け隔てる隔膜のことを言い、ゴム或いは樹脂または金属で製作されています。ダイヤフラムを利用した商品としては、ダイヤフラムポンプ、ダイヤフラム弁、ダイヤフラム式圧力計などがあります。

まず、ポンプの種類を構造上から分類すると
(A)非容積式ポンプ
(A-1)遠心ポンプ(渦巻ポンプ、タービンポンプなど)
(A-2)プロペラポンプ(軸流ポンプ、斜流ポンプなど)
(A-3)粘性ポンプ(カスケードポンプなど)
(B)容積式ポンプ
(B-1)往復動ポンプ(ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなど)
(B-2)回転ポンプ(ギヤーポンプ、偏心ポンプ、ネジポンプなど)
(C)その他
に分けられます。

ダイヤフラムポンプは容積式ポンプの往復動ポンプに属します。
構造を簡単に言うと、ピストンポンプのピストンの先にダイヤフラム(隔膜)が取り付けられ、ピストンの往復動運動によりダイヤフラムが作動します。
1往復の半分が吸入工程(液をポンプ内部に吸い込む)で残りの半分が吐出工程(ポンプ内部の液を吐き出す)として動作し、それを繰り返すことで液を移送します。
ダイヤフラム(隔膜)により、”液が機械内部に進入する”或いは”機械内部の潤滑油が液に混ざり込む”のを妨げています。
本来ピストンポンプなどでは、Oリングやメカニカルリングにより侵入を防ぐ構造を採っています。
しかし、摺動部分の摩耗などにより徐々にリークが増え、構造的に長期間完全に侵入を防ぐことは出来ません。
ダイヤフラムポンプもピストンポンプと同様に吸入口、吐出口には通路を開閉するためのチャッキ弁を必要とします。このチャッキ弁は通常ボールバルブを使うことが多くなっています。

ダイヤフラムポンプは液通過部とポンプ駆動部がダイヤフラムにより完全に隔離されているため、液がポンプ駆動部内の潤滑油或いは外部の空気と触れることは全くありません。また、回転式ポンプなどでは、長期間使用していると内部部品が摩耗により液漏れを起こしたり、リークして能力不足となることがありますが、ダイヤフラムポンプはダイヤフラムが破損するまでは、そのようなことはありません。

第一の特徴は、直動型の二重ダイヤフラム構造となっていることです。
液通過部とポンプ駆動部との間に2種類のダイヤフラムを取り付けており、負荷の大きい液側ダイヤフラムが破損しても、油側ダイヤフラムがあり、それが遮断するので破損時でも液と潤滑油が触れることはありません。また、液側ダイヤフラムと油側ダイヤフラムの間から液が漏洩することで、液側ダイヤフラムの破損を検知できます。
第二の特徴は、他社製のダイヤフラムポンプよりも、チャッキ弁部の液通過面積を大きくとっています。従って、粉体の混ざったスラリー液でも、通過することが出来ます。通常ダイヤフラムポンプはチャッキ弁があるため、スラリー液には不向きとされていますが、弊社のポンプは対応可能です。
弊社ポンプの最大の特徴はむしろダイヤフラムポンプの特徴である耐摩耗性を十分に生かしたスラリーポンプと言えます。

Q2液関係

液体の中に固体を混ぜ合わせた物をスラリー液と言います。例えば、どろ水、インスタントスープなど。
大量の液体の中に、少量の固体を入れかき混ぜると、液体中に固体粒子が拡散するので、溶け込んだ状態になります。徐々に固体の量を増やしていくと、かき混ぜても、どろっとした液体のような固体のような状態となります。これがスラリー液です。

スラリー液の濃度が濃くなればなるほど、固形分が多くなるので、ポンプ内部を通過するときに、周りの金属などを削り取ってしまうのです。
特に、羽根車(インペラー)式やギヤー式のポンプだと、短時間でインペラーやギヤーが摩耗により薄くなり、隙間が大きくなって、リーク量が増えるために安定した量を送ることが出来なくなってしまうのです。

チャッキ弁を持つ構造のポンプでスラリー液を使用する場合、弁部にて液詰まりが発生し問題となる場合がありますが、弊社のスラリーポンプは弁部の液通過面積が大きいので液詰まりはほとんど発生しません。弊社の場合、炭酸カルシウムスラリー濃度70wt%の実績もあります。

スラリー液では摩耗性がきつい場合が多く、回転式ポンプなどでは直ぐに内部部品を摩耗してしまい問題となるケースが多くあります。
摩耗に強いのはダイヤフラムポンプです。インペラー式やギヤー式ポンプの様に、摩耗が進むにつれ隙間が増え、徐々に流量低下したり或いは昇圧不能ということがありません。
ダイヤフラムポンプの場合、少々金属部が摩耗しても、ダイヤフラムなどの消耗部品が破損するまでは、ほとんど流量低下することなくお使いいただけます。
定期的に消耗部品を交換することにより、長期間の安定稼働が可能です。

ご使用の液質、仕様条件及び弊社機械の型式にもよりますが、1000cp以内の液であれば送液可能です。実績上では、6000cpの場合もあります。高粘度の場合(1000cp以上)、テストポンプによる確認が必要です。

弊社の機械では、ダイヤフラムにゴム(天然ゴム、合成ゴムなど)を利用していますので、耐熱的には100℃以下に抑えることが望ましいです。実績上では最高80℃です。
100℃を越えて使用した場合は、ダイヤフラムの寿命が極端に短くなる場合があります。

Q3機械構造関係

弊社の機械でダブルダイヤフラムとは、2種類のダイヤフラムを用いていると言うことです。
ポンプを動かす駆動部には潤滑油が入っています。使用する液と潤滑油はダイヤフラムにて隔離していますが、ダイヤフラムが破損した場合には液と潤滑油が混ざることになります。
弊社の場合、液と潤滑油の間に2種類のダイヤフラムを用いる事により、片方のダイヤフラムが破損した場合でも液と潤滑油が混ざることはありません。
また、片方のダイヤフラムが破損した場合、2種類のダイヤフラムの間から液または潤滑油が漏洩しますので、破損したことがわかります。
液に近い方のダイヤフラムを液側ダイヤフラム、潤滑油に近い方のダイヤフラムを油側ダイヤフラムと称しています。

通常の消耗部品は、液側ダイヤフラム、油側ダイヤフラム、ボールバルブ程度となります。
摩耗が激しい液の場合は、ポンプ内部の金属部品の交換が必要となります。

ダイヤフラムポンプは駆動部がピストン運動を行いますので、吸入行程と吐出行程があり、1回転の間に半分は吐出しないことになります。したがって、吐出される液はサインカーブ(SIN CURVE)の上半分に似たような流れ方をしますので、当然脈動は発生します。この脈動を抑えるために、エアーチャンバー(空気室)などが必要となります。
エアーチャンバーなどはポンプ出口の極力近い場所に設置します。また、内部の空気が無くなるとその役目をしないので補給が必要です。

弊社ポンプは直動型ですので、吐出側が締め切り状態(配管内で液が固まって閉塞することも考えられます。)になると、機械が故障するまで、吐出圧力を上げようと動きます。機械保護のためには、リリーフ弁を取り付けることをおすすめします。
リリーフ弁がない場合でも、吐出側タンクに圧力スイッチをつけて限界圧力を超えればモータを止めるなどの対応策があります。

弊社の機械では、空運転は全く問題なく可能です。
長時間、空運転を行っても機械に何の影響もありません。

Q4様々な問題点関係

水銀の中に試験管を沈め、試験管を逆向きに垂直に立てると、試験管内部の水銀は液面からほぼ76cmの所まで上がってきます。これは、大気の圧力を受けているためです。
水銀の代わりに水を用いると、水銀は比重が13.6なので、76×13.6=1033.6cm 約10mまで上がります。つまり、下から水を吸い上げる場合、完全真空にして引き上げると10m下の水を引き上げられます。しかし、実際のポンプでは完全真空状態には出来ないので、どんなに良いポンプでも6~8m程度の吸い上げ能力となります。
弊社の機械では、型式にもよりますが、ポンプ内部に液が詰まっている状態では、清水換算で吸入側1~2m程度の吸い上げは可能です。ポンプ内部に液がない場合は、呼び水が必要な場合があります。

ポンプは吸入時にはポンプ内部で真空を作り液体を吸い上げ、吐出時には吸い上げた液を押し出す(高圧にする)機械です。ポンプ内部で局部的に液体の気化する圧力まで圧力低下することがあると、その液体は気化し気泡(蒸気や含有気体を含む泡)を発生します。更に流れが低圧になるか高速になってその部分に空洞を生じます。この現象のことを"キャビテーション"と言います。

NPSHとは、有効吸い込みヘッド(Net Postive Suction Head)と呼ばれるもので、キャビテーションの判定に用いる数値です。理論的にキャビテーションが起こるかどうかは、ポンプが利用し得るAvNPSH、ポンプが必要とするReNPSHと使用する液の蒸気圧力から判定します。
キャビテーションを起こさないための条件としては、"AvNPSH-ReNPSH≧使用する液の蒸気圧力"となります。
しかし、実際には理論通りにならない場合もあり、キャビテーションが起こった場合には、次項のような防止対策が有効です。

キャビテーションの発生は、ポンプの吸い込み性能に大きく左右されるため、次のような方法で対策します。
(1)吸入側タンクの最低液面を上げる。
(2)吸入側配管を太くする。
(3)吸入側配管の長さを短くする。
(4)ポンプの回転数を遅くする。
(5)吸入側にエアーチャンバー(空気室)を取り付ける。

配管内を流れている液体が、様々な障害により急激にその運動が止められたときに起こる水撃作用のことをウォーターハンマーと言います。

VOICE

お客さまの声

弊社のポンプをご利用いただいているお客さまの声です。

「ある日突然故障することがない点に満足している。ダイヤル式のゲージが産業用らしくて良い。」

ポンプ型式 MP-750SB
ご使用液 リン酸塩水溶液 1997年製

「故障が少ない」

ポンプ型式 MP-400D
ご使用液 溶剤スラリー 1985年製

「耐久性がある。」

ポンプ型式 SL-1A-120
ご使用液 水系着色剤スラリー 2003年製

「現在まで、特に問題がない。」

ポンプ型式 SL-2A-225
ご使用液 沈殿薬剤 1996年製

「減圧槽からスラリーが安定供給できる。」

ポンプ型式 SL-2B-340
ご使用液 溶剤+有機物スラリー

「まだ、運転時間が短いので、今まで問題がない。」

ポンプ型式 SL-1A-150-D
ご使用液 クレー、炭カルスラリー 2006年製

「メンテナンスが楽である。」

ポンプ型式 MP-750SC
ご使用液 リン酸カルシウムスラリー 2003年製

「丈夫で長持ちで故障が少ない。」

ポンプ型式 SL-2A-270
ご使用液 湿式粉砕機用微粉スラリー 1984年製

「構造が簡単でメンテナンスが楽に出来る。」

ポンプ型式 SL-2B-270
ご使用液 フェライトスラリー 1994年製

「定量性があり、メンテナンスが楽。ポンプの寿命が長い。」

ポンプ型式 MP-400D
ご使用液 溶剤スラリー 1968年製

「ダイヤフラムの寿命が長い。」

ポンプ型式 SL-2B-270
ご使用液 Sr フェライトスラリー1990年製

「故障が少ない」

ポンプ型式 MP-750SC
ご使用液 アルコール 1981年製

「定量性がよい。」

ポンプ型式 WL-2B-135
ご使用液 プロセス液スラリー 1999年製

「ダイヤフラムなど各部品の寿命が長い。」

ポンプ型式 SL-2A-225
ご使用液 酸化鉄スラリー 1975年製